偽りの自分。
友達だから。
翌日
『吉野さんおはよ!』
あたしは椅子に座る吉野さんに挨拶をする。
吉野さんはびっくりした様子だったけれど、『桜田さんおはよう』と言った。
吉野さんの机のフックに掛けてある鞄は
キズがついてしまって、汚くなっている。
美香たちが吉野さんの
鞄を落としたのが原因だよね....
すると、突然美香と雫と美鈴があたしたちに近づいてきた。
『おはよー吉野サーン』
美香が嫌味っぽい挨拶をする。
『なっ...なんか用....?』
吉野さんが緊張気味に言う。
『ミス、ちょっと来て。』
美香と雫と美鈴に連れてこられたのは、
女子トイレ。
どの教室にも近くないから、
利用者は少ない。
掃除もされていないのか、
入ったとたんに凄い臭いがして、気持ち悪くなりそうだった。
『ミスさぁ』
美香が口を開いた。
『なに....?』
『吉野と仲良くしないで!
約束でしょ!?』
三人は大きな声で言った。
なにそれ....
誰と仲良くしようが、あたしの自由じゃないの!?