偽りの自分。
『吉野さん....大丈夫だよ。
あたしは...吉野さんの味方だからね!』
あたしは吉野さんの背中をさすりながら笑顔を見せた。
『..ありがとう...』
『泣きたいときは、我慢しないで
泣いていいんだよ。』
あたしはそう言った。
そして、昼休みが終わるまで吉野さんに
付き添った。
吉野さんの頭に散乱している
お弁当の具は、綺麗に落としきれなくて
しょうがなくそのまま
午後の授業に出ることに
なってしまった。
キーンコーンカーンコーン
ギリギリで教室入りしたあたしたちを
先生やクラスの皆が見つめる。
というか...吉野さんを。
『よ、吉野?どうしたんだ!?』
先生はびっくりした様子で言った。
『吉野の頭やべぇー』
『何あれっ!汚い!』
教室はザワザワしてきた。
『静かに!』
先生が言うと、シーンと静かになった。
『お前ら自習!
吉野と桜田は来なさい。』
先生は教室から出た。
あたしも出る前に、美香に目をやった。
美香は...気にしてなさそうだった。