偽りの自分。
『あっ!ミス~おはよう!
電車で会わなかったねー』
教室に着くと、美香が話しかけてきた。
『そうだね。』
そう言いながら、机に鞄を置く。
『あたし、先生に用があるから、またね。』
あたしは教室の扉の方へと歩く。
『待って!用って....何?』
『んー?美香たちが吉野さんにしてること話すんだよ。』
...
うわ!
言っちゃった!
あたしは、口を手で押さえた。
口が滑った...
『...え?いじめじゃないし!
別に...ただこらしめてるだけだし!
先生に言うとかどうしたの?』
美香は慌ててそう言った。
近くで喋っていた、雫と美鈴と優花が駆け寄ってきた。
『ミス何言ってんの!?
いじめじゃないよ。』
雫がそう言うと、
『そうだよ...いじめじゃない!』
美鈴も言う。
どこが“いじめじゃない”のよ!
どう考えてもいじめでしょ!
『いじめじゃん!最初、あたしのことも
いじめたくせにさ、酷いよ!』
あたしはそう吐き捨てて、教室を出た。