偽りの自分。

イライラする!


美香たち性格悪すぎ。


そう思いながら、廊下をズンズン進む。


あたしは、歩くのに力を入れた。

速く歩いた。


すると、


『桜田さーん!』


後ろから、聞き覚えある可愛らしい声がした。


あたしは声のする後ろを向いた。


私を呼んだ、彼女は大きく手をふっている。




吉野さん...?









『どうした?あたしは今から、
先生にいじめのこと言いに行く。
吉野さんも、もう辛くないよ。』


『言うの!?』


吉野さんは驚きを隠せないようだ。


『嫌だよ!親にバレたら...』

『それでいいの!?吉野さんは、
親に怒られるからって逃げてるだけじゃん!
そんなんじゃ、何も変わらないよ?』


あたしは大きな声で言った。

すると廊下を歩いていた他の生徒たちは

「いじめ?」

「うわ1年のミスのクラス、
いじめなんかあるのかよ。」

などと騒ぎ始めた。


吉野さんは戸惑っている。

きつく言い過ぎたかな。

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