偽りの自分。
『そうだよね………いじめは嫌だよ...
だからあたし変わる!』
そう言って、
ニコッと笑顔を見せる吉野さん。
『これでいじめは終わるから。』
吉野さんの耳元でコソッと言って、
あたしたちは周りの視線を気にせず職員室へと歩いていった。
『失礼します、1年の桜田です。』
『1年の吉野です。』
『宮澤先生いらっしゃいますか?』
職員室で言う。
すると、先生は椅子に座りながら
手招きしてきた。
あたしたちは先生のいる方へと歩く。
なんか、緊張してきた。
『どうした、桜田、吉野。』
先生は椅子に寄りかかりながら言う。
『あの...相談があります!』
あたしが言うと、先生は不思議そうな顔をした。
『.....いじめについてです....あたし...いじめられていて。』
あたしが言う前に、吉野さんは言った。
『...いじめ....
弁当の事件のとき、俺疑ってたんだ。』
『あたしも...一時期いじめられて。
でも、吉野さんだけは普通に接してくれて...』
あたしは静かに言う。
『桜田まで!一体、誰にやられたんだ?』
先生からの質問にビクッとしてしまう。
少し、言うのが怖い。
でも...言うんだ。
『美香が主犯で...雫と美鈴、優華がいじめてきました。』
あたしはそう言った。
『あいつら!分かった。
今日の一時限は自習にして、
あいつらと話をする。お前らも一緒に来てほしい。ここまでよく耐えたな…』
先生はそう言って、立ち上がって職員室を出ようとする。
あたしたちは先生ついていった。
これから、どうなるんだろう。