偽りの自分。


『そうだよね………いじめは嫌だよ...
だからあたし変わる!』


そう言って、
ニコッと笑顔を見せる吉野さん。


『これでいじめは終わるから。』


吉野さんの耳元でコソッと言って、
あたしたちは周りの視線を気にせず職員室へと歩いていった。




『失礼します、1年の桜田です。』 

『1年の吉野です。』

『宮澤先生いらっしゃいますか?』


職員室で言う。


すると、先生は椅子に座りながら
手招きしてきた。


あたしたちは先生のいる方へと歩く。


なんか、緊張してきた。


『どうした、桜田、吉野。』

先生は椅子に寄りかかりながら言う。


『あの...相談があります!』


あたしが言うと、先生は不思議そうな顔をした。


『.....いじめについてです....あたし...いじめられていて。』


あたしが言う前に、吉野さんは言った。


『...いじめ....
弁当の事件のとき、俺疑ってたんだ。』


『あたしも...一時期いじめられて。
でも、吉野さんだけは普通に接してくれて...』

あたしは静かに言う。


『桜田まで!一体、誰にやられたんだ?』


先生からの質問にビクッとしてしまう。


少し、言うのが怖い。

でも...言うんだ。


『美香が主犯で...雫と美鈴、優華がいじめてきました。』


あたしはそう言った。   


『あいつら!分かった。
今日の一時限は自習にして、
あいつらと話をする。お前らも一緒に来てほしい。ここまでよく耐えたな…』


先生はそう言って、立ち上がって職員室を出ようとする。

あたしたちは先生ついていった。

これから、どうなるんだろう。

< 77 / 103 >

この作品をシェア

pagetop