偽りの自分。

最低...ね。


ごめんね。


美香たちを裏切ってごめんね。


でもね...


美香たちは正しくないから。


美香たちがやっていることが、あたしは嫌だから。


美香たちはあたしをいじめたから。


あたしが吉野さんを救う番だから。


いじめなんか、誰も楽しくない。



辛いことなんだよ。






『さて、
お前らが呼び出された理由、わかるよな。』 


空き教室で、先生は美香たちに言った。


あたしと吉野さんは、先生の横につく。


『わ、わからないです.....』


美香はとっさに言う。


『わからない?お前ら、桜田と吉野を
いじめていたんじゃないのか?』


先生は怖い表情で言った。


『...いじめてた訳ではありません。
ただ...こらしめていただけです。』


美香はそう言ったけど、完全にいじめだ。
“こらしめた”なんて、言わないで。

認めなよ。


『あの.....ごめんなさい....
いじめてごめんなさい........。』


すると、突然美香の横に立っていた、雫が涙を浮かべて言った。


『ちょっと、雫!!』

美香は叫んだ。


雫....泣いてる。


『美香が完璧な人間が嫌だいう気持ちもわかるし...自分がターゲットになったら嫌で…ごめんなさい。』


雫は涙を袖でふきながら言った。


『あたしもです...ごめんなさい...』

『雫と同じです...ごめんなさい。』


すると、美香以外の全員はあっさり謝った。





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