偽りの自分。
『いつからいじめられていた?
どんな風にいじめられた?』


先生は、あたしと吉野さんを見ながら言った。


すると、あたしより先に吉野さんが口を開いた。



『いつからかは覚えてません....いじめの内容は...ラインとか聞こえるように悪口言われたり、屋上から鞄落とされたり、
机にゴミ入れられたりとか.....』



『私もここまでではないですけど、
似たようなことをされていました。』


私は静かに言った。




すると、声をあげて雫は泣き出す。


『ほ...本当...ごめんね....っ
ごめんなさい!!!もう...絶対に
いじめなんか...っしない!』




雫は床にしゃがみこんだ。






『今回の出来事はきちんと親御さんにも伝えることにします。桜田、吉野、気づいてあげられなくてごめんな。こいつらはだいぶ反省しているようだが……』
 

先生は静かに言う。



『あたしは....許します....
ただ、またいじめてきたら...絶対に許しません!』


吉野さんはそう言う。


私も言う言葉は、すぐに出た。


『許します。』




『桜田と吉野がいい奴で良かったな。
いいか、もう絶対にいじめはしないこと。
今回は丸くおさまったが、次はただじゃ置かない。』


先生は美香たちに言った。


『いじめなんか、もうしません!』


みんなはそう言ったけど、美香は黙ったままだった。


『おい、松宮。お前だけ残れ。
話がある。』
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