偽りの自分。
立場が変わって。
~星羅side~
先生に言って良かった。
だって、
これでもういじめは無くなるんでしょ?
でも、気になる。
雫たちは、もういじめはしないと誓った。
だけど、雫たちが美香を避けているようにみえる。
だって、美香が吉野さんに謝りに来たとき、
ヒソヒソ話していたし、
美香から遠ざかっているように
見えた。
美香についていた皆が、
いきなり美香を避けるようになったのは、
“美香が悪い”って思っているから?
『ミス?ぼーっとして、どうした?
早くいくよ!』
そう言って、美鈴は教室をでる。
美鈴の声で、ハッとする。
あっという間に時間は過ぎて、今は放課後。
あたしと美鈴は、
初めて二人だけで帰ることになった。
『なんでもない!』
あたしは教室を出て、廊下で美鈴の隣を歩く。
『......ミス、ごめんね?今まで...』
『いいよ、全然!
前みたいに仲良くしていこ?』
二人で、笑いながら色々な話をした。
美鈴と、
こんなに喋ることなんてなかったなぁ。
なんか....嬉しい。
『じゃあね、ミス!
あたし、こっちだから!』
気づけば、別れ道まで来ていた。
『うん!また明日!』
あたしたちは手をふって、逆方向に歩いていった。