偽りの自分。
入ってきたのは美香だった。
『美香、来たし!』
美鈴は、大きな声で言った。
『松宮って、いじめの主犯だったんだよな?
よく平気な顔して学校来れるよな。』
男子の方からは、そんな声まで聞こえた。
そして、雫と美鈴、優花は美香の前に立った。
『美香、良く平気な顔して学校来れるよね。
皆、本当はいじめをしたくなかった。
ぜんぶ美香のせいだよ?』
雫は一気に言った。
美香は悲しそうな顔をしている。
何か言いたいのかもしれないけど、
こらえている。
『ちょっと、皆ひどくない!?』
大きな声がした。
振り向くと、吉野さんが。
『何いってんの?嫌だったら、最初から断れば良かったでしょ?なんで、美香ちゃんだけをそんなに責めるの?
あたしは、いじめられていたけど
美香ちゃんが...可哀想だよ。』
吉野さんは、怒った顔で言う。
雫たちも、何も言えなくなったみたいで、
無言になる。
『そうだよ...美香だけが悪い訳じゃない。
雫たちがいじめをしたのは、美香のせいだけじゃない....
皆もいけない!』
あたしは、皆に訴えた。