偽りの自分。
そして、午前中の授業は終わって昼休みになった。
あたしと吉野さんは、二人で屋上で食べることに。
二人で教室を出ようとしたとき、
肩をぽんぽん
誰かに叩かれた。
振り向くと美香が立っていた。
『...あの...さ!
お、お弁当一緒にいいかな....!?』
美香の発言にぽかんとする。
今までの美香なら、自分から誘わなくても
誰かがよってくる感じだったのに
言葉かみかみだし、
勇気出したって感じ...
雫たちは、そんな美香をよそに机を並べて
食べようとしてるし。
『ああ!やっぱり....無理だよね!
ごめ...』
『一緒に食べよう!』
美香が逃げようとしたので、
慌てて阻止した。
『あたしも、美香ちゃんと食べたいな。
早く屋上いくよ!』
吉野さんはそう言って、
美香の腕とあたしの腕を
掴んで走る。
『絵里花~早いよー!』
あたしは、“絵里花”と下の名前で呼んでみた。
すると、いきなり吉野さんはニヤリと笑った。
『やっと、名前で呼んでくれた!』
吉野さんは言うけど、
吉野さんもあたしのこと
“桜田さん”って名字&さん付けで読んでるでしょ?
『あたしは、桜田さんのこと星羅って呼ぶ。
星羅はあたしを絵里花と呼ぶ。
どう?いい?』
絵里花はにこりと笑う。