偽りの自分。
“あたしも同じ”という代わりに、
こくこくとあたしは頷いた。
『ありがと......
ごめんね....友達でいてくれる.....?』
美香はあたしたちの顔をみる。
応えは、もちろん。
『うん!』
あたしと絵里花でそろって言った。
そのあと、昼休みも終わって、
授業も終わって、
下校時刻になった。
『ね~絵里花、一緒に帰え.........』
あたしは、教室で絵里花に言おうとした。
でも絵里花は教室にいなくて。
廊下に出てみると、絵里花とカイトがいた。
二人で何か話し込んでいる。
邪魔しちゃ悪いけど、気になるよ。
だってあたしは、カイトが好きだから。
少しくらい、良いよね。
そう思って、二人に近づいた。
すると、カイトはあたしに気づいて
『吉野に話があるから、わりぃ。』
と言って、絵里花の手を掴んで
空き教室へと入っていった。
あー!
気になる!
あたしは、移動されたのもお構い無しで
空き教室を覗きこんだ。