君はあたしの天然王子
「尚陽ーっ!!」
「悠佳…」
しばらくすると、元気いっぱいの悠佳が来た。
いつものことなのに、今日は何だか気まずい…。
「?どうしたの尚陽?やっぱり最近ボーっとしてない?」
「えっ…気のせいだよ…大丈夫だよ。」
明らかにオロオロしてるオレ。絶対怪しいよな…。
「そう?あっ、それでね、今度のデートのことなんだけど…尚陽、日曜日空いてる?」
「えっと…日曜日は…用事があるんだ。ごめん」
ホントは用事なんか無いんだけどね。
何となく…避けたいような気がする。
「そっか…じゃあ、また今度いこうね!」
「うん…」
オレはふと、窓の外を見た。
そこには―…
美奈ちゃんと佳奈美ちゃんが歩いていた。
美奈ちゃんの姿に釘付けになるオレ。
けれど美奈ちゃんは、カフェにいるオレに気づかず行ってしまった。