君はあたしの天然王子
残念…。
すると、
―キュッ
「ん?」
悠佳に手を握られた。
「悠佳…「尚陽」
握る強さは強くなる。
「尚陽…いなくなっちゃ嫌だからね…?ずっと私の側に居てね?」
「悠佳…」
オレはその手を握り返した。
―が…
「ずっと側に居る」とは言い切れなかった。
やっぱりオレって…
美奈ちゃんのこと…
いや、でも…そんなことしたら悠佳が可哀想だし…。
「悠佳…」
オレは小さく呟いた。
だけど、それ以上のことは何もしてあげられなかった。