君はあたしの天然王子
―すると…
「美奈!」
「え…」
急に大好きな人の声が聴こえた。
「な…尚陽くん」
尚陽くんが隣の車両から、あたしたちの居る車両に入ってきた。
良かった…気まずい空気がどうにかなりそう…
「あれ?ソイツ誰?」
先輩が尚陽くんを睨む。
「ん?はじめまして!沖村尚陽です。美奈の恋人です!」
尚陽くんは睨む先輩をよそに、ニコニコした笑顔で返す。
「ちょっ…」
ひぇぇー!!
さらに空気が重くなっちゃった…。
「へぇ~お前が新しい彼氏かよ。オレ、美奈の元彼だから」
先輩!!余計なこと言うなって!!
「あ、そうっすか」
一方の尚陽くんはポケーっとしてるし…
でも、何処と無く、先輩の目が恐いのは気のせい…?