君はあたしの天然王子
「どうしてまた…」
「あの先輩ね、新しく出来た彼女と上手くいかなかったみたいなのよ。だからまた美奈を彼女にしようとしてるみたいよ?」
ウソ…
何なんだそれ…
これじゃあ、あたしは先輩の都合のいい女って訳じゃん。
誰が!!先輩のところに戻るかっての!!
「ホント…自分勝手な先輩…」
先輩からフッたくせに…
「美奈…」
「尚陽くん…」
隣で会話を聞いてきた尚陽くんが、あたしの名前を呼ぶ。
呼ばれたあたしは一瞬ドキンとする。
好きな人に名前呼ばれるだけで、こんなに心臓が跳ねるなんて…
「なぁ美奈…。出来るだけ一緒に居よう?」
「えっ…」
「1人だと危ないし…先輩とかに狙われるし…オレも美奈と一緒にいたいし…」
尚陽くんが顔を真っ赤にして言ってくる。
きゅうん…
どうしよう。さっきからドキドキしっぱなしだよ。