君はあたしの天然王子
涙でボヤけて見えない。
涙を拭うと、それが先輩だと分かった。
「美奈、オレ見ちゃった」
「……」
何が見ちゃった、よ。
先輩のせいだよ…
「先輩…あたし…先輩に話があるの…」
「……じゃあ体育館行こう?あそこなら誰もいないよ」
先輩に手首を掴まれて立たされる。
あたしは先輩の後ろについて、体育館へ向かった。
「で、話って?」
前を歩いていた先輩が振り向いた。
「先輩…あたし…これ以上先輩の気持ちに答えられない。もう…あたしに付きまとうの止めてください」
「ふーん?」
ドンッ!!
っという音と共に、視界が暗くなった。
顔の横には先輩の手。
背中には壁…
これって あたし、
押さえ付けられてる?