君はあたしの天然王子
「先輩っ…「どうして?」
え…?
「オレは美奈が欲しい。そう思うのは悪いこと?」
先輩の目があたしを捕らえる。
「離してくださいっ…「嫌だ」
どうしよう
どうしよう
どうしよう……
誰かっ…
助けを呼ぼうにも、体育館には人気が全然ない。
「美奈…」
先輩の顔が近付いてくる。
―嫌だっ…
涙が出てくる。
―助けて…
「なお…ひ…くん…」
「残念だけど彼氏は来ないよ。」
「いや…だっ…」
先輩の唇が頬に当たる。
―嫌だっ……
すると次の瞬間…
「バコッ」という鈍い音が聞こえた。
え……?