君はあたしの天然王子
「せ…先輩!あたし…尚陽くんしか見えないんです!!先輩なんか…先輩なんか…尚陽くんの足元にも及ばないくらい…あたしは尚陽くんが好きなの!!」
「美奈…」
「先輩がアニメオタクなことも話しますよ?」
「美奈まで…?」
い…言えた!!
先輩にはっきり言えた!!
「先輩…あたしとはキッパリ別れて下さい…もう電話もしないで!」
「……美奈。
もう分かったよ。美奈に付きまとわない。けど!…諦めねぇから。アドレスも番号も変えない。いつでも連絡して。」
そう言って先輩は走り去ってしまった。
あたしは尚陽くんの方を見た。
目が合って、微笑み合った。
「美奈。帰ろう?」
「うん…」
尚陽くんがあたしの手を取る。
「美奈はオレが守るから。オレは…只の天然記念物じゃないからな」
「…はい!?」
尚陽くん…自分のこと天然記念物と思ってる!?
貴方は天然記念物じゃなくて天然なのー!!