君はあたしの天然王子







「これなんかどう!?」



由陽さんが持ってきたのはベージュのファーがついたピンクのコート。



「由陽さん…これは…」


「良かったら試着してみてくださいねー」



店員さんに声をかけられる。




「ほらほら!着てみて!」



由陽さんに押されるがまま、試着室へ…




あたし…何でこんな目に遭ってんの!?





心の奥で文句を言いながら、由陽さんに渡されたコートを着てみる。



うわ…似合わない…。




「由陽さん…あたし…やっぱり…」



「あら、美奈ちゃん似合うじゃない!」



試着室から出た途端、由陽さんは目を輝かせて、親指をグッと立てた。



「これにしちゃいなさいよ~」


「いや…その…あたし別のが良いなー…なんて…」




似合わないし…










< 155 / 240 >

この作品をシェア

pagetop