君はあたしの天然王子
「これなんかどう!?」
由陽さんが持ってきたのはベージュのファーがついたピンクのコート。
「由陽さん…これは…」
「良かったら試着してみてくださいねー」
店員さんに声をかけられる。
「ほらほら!着てみて!」
由陽さんに押されるがまま、試着室へ…
あたし…何でこんな目に遭ってんの!?
心の奥で文句を言いながら、由陽さんに渡されたコートを着てみる。
うわ…似合わない…。
「由陽さん…あたし…やっぱり…」
「あら、美奈ちゃん似合うじゃない!」
試着室から出た途端、由陽さんは目を輝かせて、親指をグッと立てた。
「これにしちゃいなさいよ~」
「いや…その…あたし別のが良いなー…なんて…」
似合わないし…