君はあたしの天然王子
先に教室へと入っていった佳奈美の後ろを、あたしは追いかけた。
あくまでもバレないように…ね。
佳奈美は普通に「おはよう」と言いながら教室に入った。
まだ時間は早く、教室に来ている人は少ない…
もう誰か来てるのかな?
あたしは、教室の中をこっそりと覗いた。
そこには…
「あれ?松形さん早かったね?」
「あ…日直だから…」
今日 日直の佳奈美と、クラスのムードメーカー的存在の内藤 啓吾くんの二人…
いつもハキハキしてる佳奈美も様子がおかしい。
なよなよしてる…(失礼)
これって…もしかして…
恋、ですか?
分かった…
佳奈美は啓吾くんの事が好きなんだ!
だから早く教室に行こうとしてたんだね…