君はあたしの天然王子
彼女が本当にいるかも分かんないだし、ここは親友として佳奈美を応援しなきゃ。
「佳奈美ー!!」
授業が終わり、廊下を歩く佳奈美を引き留めた。
「美奈、どうかしたの?」
「早く告白しちゃいなよ!」
佳奈美は「は?」と言った顔であたしを見つめてくる。
あたしはもう一度念を押した。
「佳奈美、啓吾くんが好きなんでしょ!告白しちゃいなって」
それを聞いた佳奈美の顔は、みるみるうちに赤くなっていく…
これはビンゴ!
「当たった?」
「うっさいなぁ!もう!」
佳奈美は持っていた分厚い教科書で、あたしの頭をベシッと叩いた。
い、痛いよ…佳奈美…