君はあたしの天然王子




彼女が本当にいるかも分かんないだし、ここは親友として佳奈美を応援しなきゃ。




「佳奈美ー!!」



授業が終わり、廊下を歩く佳奈美を引き留めた。



「美奈、どうかしたの?」


「早く告白しちゃいなよ!」


佳奈美は「は?」と言った顔であたしを見つめてくる。


あたしはもう一度念を押した。



「佳奈美、啓吾くんが好きなんでしょ!告白しちゃいなって」



それを聞いた佳奈美の顔は、みるみるうちに赤くなっていく…




これはビンゴ!




「当たった?」


「うっさいなぁ!もう!」



佳奈美は持っていた分厚い教科書で、あたしの頭をベシッと叩いた。



い、痛いよ…佳奈美…








< 171 / 240 >

この作品をシェア

pagetop