君はあたしの天然王子
「ってことで尚陽くん、尚陽くんにも協力してほしいの!」
あたしは向かいに座って砂糖たっぷりのコーヒーをかき混ぜる尚陽くんに言った。
あたしたちは、いつものカフェに来ていた。
「良いけど…和尚様のところまで行くには一休さんに勝たなきゃいけないよ?」
尚陽くんがカップに口を付けながら言った。
…っていうか、あたしたち何の会話してんだ!?
「尚陽くん違うー!!今は一休さんの話してるんじゃないの!!佳奈美と啓吾くんの話でしょ!!」
「あれ?そっか…」
ホント…話の噛み合わない彼氏だよ…
「でも、協力ってオレは何すれば良いわけ?」
不思議そうに首を傾げる彼に、あたしはため息を一つはいた。
「問題はそこなんだよ…」