君はあたしの天然王子
実はと言うと、協力と言っても具体的なことは何も考えていない。
「どうにか佳奈美に素直になってもらえたら良いんだけど…」
「そうか~…」
珍しく尚陽くんが考え込んだ。
かと思えば…
「寝るな、尚陽!!」
「あ、ごめん…」
「とにかく…どうしよう?」
あたしは尚陽くんの方を見た。
「オレが啓吾に彼女とかいるか聞いてみようか?」
「うん。じゃあ、お願いね!」
でも、もし彼女がいたとき…あたしはどうすれば良いんだろう…
「なぁ美奈、とりあえずやってみればさ、どうにかなるよ。ね?」
顔を上げると、優しく微笑んでる尚陽くんと目が合った。
「…ハハハ!!」
「え!?何で笑うんだよ!?」
ショックそうな顔の尚陽くん。
あたしは笑い涙を指で拭った。