君はあたしの天然王子
オレは佳奈美ちゃんの顔を見て、今日美奈が言っていたことを思い出した。
「ねぇ、佳奈美ちゃん」
「ん?」
佳奈美ちゃんは持っていたケータイを鞄に直して、オレを不思議そうに見た。
「佳奈美ちゃんってさ…啓吾のこと好きなの?」
すると、佳奈美ちゃんの顔はスゴい勢いで真っ赤になった。
しばらく間があった…
やばい、オレ…余計なことを聞いてしまった!?
「あっ…佳奈美ちゃん…ごごごごめん…」
「な…尚陽くん?」
いきなりどもるオレを見た佳奈美ちゃんは、変なものを見るような目で見てきた。
そして、ふっと息をはいた。
「美奈から聞いたんでしょ?」
「あ…まぁ、うん」
「やっぱり。…でも…」
佳奈美ちゃんはオレをちらっと見た。
「尚陽くんには見透かされちゃうかな?」