君はあたしの天然王子







「佳奈美…どうしたの?何でそんなこと言うの!?」



「どうもしてないわよ!あたしみたいに苦しい思いをしてない美奈に、何が分かるって言うの!?」



「何で…?あたしが尚陽くんのことで悩んでたこと、佳奈美が一番知ってるじゃん…」




泣きそうなあたしを、佳奈美はキッと睨んで、



「…もうこの話は止めよう。あたしのことは放っておいて。」



そう言い残して、個室を出ていった。









分かんないよ。




どうして あんなこと言うの?



あんま剣幕な佳奈美、初めて見た。





後から後から、涙が溢れてくる。





あたしは佳奈美に幸せになってほしいだけなのに…それってダメなことなの?





「もう…分かんないよ…」






あたしは、どうしたらいいの…?









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