君はあたしの天然王子










「…というわけで、佳奈美に怒られちゃった…」



翌日の放課後、あたしと尚陽くんは、いつものカフェに来ていた。



「そっか…佳奈美ちゃん、どうしちゃったんだろうね?」



そう言いながら、尚陽くんはオレンジジュースに砂糖を入れる。



って!!
オレンジジュースに砂糖入れるバカがどこに居んのよ!?




「こら!尚陽くん砂糖入れすぎ!」


「ん?だって甘いくて美味しいんだもーん」



尚陽くんが子供みたいな笑顔を見せる。



「ダメでしょ!止めなさい!」


あぁ…あたしは尚陽くんのお母さんかよ。



ふと、佳奈美のことが頭を過った。


佳奈美は…何か辛い過去があるんじゃないかな?



あたしは佳奈美の親友だもん。



楽しいことも、悲しいことも、嬉しいことも、辛いことも……全部、共有していきたいよ。



何かあったら、あたしを頼ってほしいよ…



あたしは、佳奈美に心から笑ってほしいもん。



佳奈美が応援してくれた分、あたしは佳奈美にお礼をしなくちゃいけないんだ。




でも…










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