君はあたしの天然王子
「佳奈美があんなんじゃ、手の施しようがないっていうか…あたし、もうどうしたら良いか分かんないよ…」
尚陽くんも真剣に考えてんだか考えてないのかも分からないし。
「ねぇ、美奈。佳奈美ちゃんの誕生日っていつ?」
「へ?佳奈美は…あ!来週だ!」
いろいろあって、すっかり頭に無かったけど、来週は佳奈美の誕生日。
「で、それがどうしたの?」
尚陽くんに問いかけると、いたずらっぽくニッと笑った。
「俺に良い考えがあるんだ!」
普通ならここで「頼りになる!」って思うところだけど…
相手が尚陽くんだからか、心配で仕方ない。
「大丈夫なの?それ」
「ひどい!まだ聞いてもないくせに…」
いやいや。今までの貴方を見てきたら代々分かりますよ。
でも、あたしの想像とは裏腹に、尚陽くんの作戦は良いものだった。