君はあたしの天然王子
「なるほど…」
「ね、良い考えだろ?」
尚陽くんは砂糖たっぷりのオレンジジュースを飲み干して そう言った。
「うん!ありがとう尚陽くん」
決行は来週の佳奈美の誕生日。
尚陽くんの考えてくれた作戦で、佳奈美の心を癒してみせるんだ!
「んじゃ、さっそく準備といきますか!」
「いきましょう!」
あたしたちはカフェを出て、近所のスーパーへと向かった。
何をするかは…まだ内緒。
上手くいくかも分からないし、もしかしたら佳奈美にまた怒られるかも…。
だけど、こんなことで友情が終わってたまるか!
あたしなりの気持ちを佳奈美にぶつけて、佳奈美の気持ちをあたしにぶつけてほしい。
分かり合いたい。
こんなに大切だって思う友達、始めてだもん。
壊したくないよ。
だから、もし失敗しても、もし仲直り出来なくても…絶対諦めない。
それに、あたしには尚陽くんだって居るんだもん。
大丈夫。
ねぇ、佳奈美。
あたしたちなら、分かり合えるよね…?