君はあたしの天然王子









そして、遂に決行の日…佳奈美の誕生日!



「美奈、決行は放課後。部活の準備をしている佳奈美ちゃんにアタックだよ!」


「オッケー!」



尚陽くんと声を潜めながら、最後の作戦会議。



あれから教室でも全然話さなくなった佳奈美。



ふと佳奈美に目を向ければ、佳奈美の視線の先は…啓吾くん。



佳奈美は、啓吾くんとは両想いになりたくないと言った。



佳奈美には、誰にも話せない辛い過去があるんだと思う。



無理に話せとは言わないもん。



ただ、話してくれたら、きっと佳奈美の心は軽くなるはず。



佳奈美の親友だからこそ、何とかしてあげたいって思う。



だから!今日は頑張って作戦を成功させるのみ!



「尚陽くん、色々ありがとう。あたし、今日は頑張るから」


「大丈夫。美奈なら、多分きっと絶対大丈夫だよ」



…「多分」と「きっと」と「絶対」は一緒に使っちゃいけないような気がする…。










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