君はあたしの天然王子
キーンコーンカーンコーン…
一日の授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
皆が一斉に教室から出ていく。
今だ!
「佳奈美!」
「……何?」
教室には佳奈美とあたし、二人だけ。
「佳奈美…」
あたしは尚陽くんと一緒に用意した、この作戦のメインとなるものを取り出した。
「ハッピーバースデー佳奈美!!」
「!」
あたしが取り出したのは…それはそれは大きなバースデーケーキ。
尚陽くんが立てた作戦は、佳奈美の大好きなスイーツで仲直りする!というものだった。
単純すぎって思うかもしれないけど、想いはきっと伝わると思う。
いいや、伝わらなきゃ困る!
「なにこれ…?」
「佳奈美甘いもの好きでしょ?尚陽くんと作ったの。」
「こんな大きなケーキを…?」