君はあたしの天然王子
「ねぇ、美奈…」
「ん?」
「美奈は結婚したいって思う?」
尚陽くんが珍しく真剣な表情で問いかけてくる。
「そりゃあ、大好きな人となら結婚したいって思うよ。」
「そっか」
「……」
って、それだけ!?
いきなり真剣に聞いてくるから、てっきり甘い言葉でも囁かれるかと思った…。
ちょっとだけ落ち込んでいると、尚陽くんの手があたしの頬に触れた。
「尚陽くん…?」
「オレは、大人になるまで美奈を手離さないよ。」
尚陽くんが顔を近付けてくる。
「おじいちゃんとおばあちゃんになっても、縁側でお茶飲もうね。約束だよ」
「…うん」
何であたしは彼氏と老後にお茶を飲む約束をしなければいけないんだろう…。
でも、これが尚陽くんの愛情だってことは分かってる。
あたしは目を閉じた。