君はあたしの天然王子
「…ありがとう」
由陽さんの瞳から、一筋の涙が流れる。
「本当は不安よ。でも、あたしには皆がついてる。もちろん、美奈ちゃんもね。」
あたしも我慢しきれなくて、涙が溢れてくる。
「お…応援してますっ…」
やっとの思いで絞り出した声は、あまりにも裏返っていて、由陽さんと顔を見合わせて笑った。
由陽さん。
感謝しなきゃいけないのは、あたしの方なんだよ。
たくさん元気付けてくれて、たくさん励ましてくれて…
由陽さんの応援のおかげもあって、あたしは尚陽くんと両想いになれた。
「由陽さん、ありがとう」
また、会えるよね。
あたしと由陽さんは、きっと切っても切れないキズナで繋がってる。
大丈夫。
そう思うと、スッと身体の重さが抜けていくような気がした。