君はあたしの天然王子
あたしたちはカフェを出た。
―ギュッ
「えっ…」
あたし…今尚陽くんに手…握られてる?
やばい…
顔が熱い…
「アイスクリーム屋さんドコにしようかぁ?」
尚陽くんは あたしの手を握ったまま、辺りをキョロキョロしている。
「尚陽くん……」
「ん? 何?」
「あの…手…」
恥ずかしいんだけど…
「あ、そっか。横断歩道では手挙げなきゃね」
そっ…
そっちじゃない!!!
どこまで天然なの!
この人は!!
「美奈ちゃん! あそこにあったよ、アイスクリーム屋!」
「あっ…」
尚陽くんが指差した先には、某アイスクリーム屋があった。
「あっこ入ろ~う」
尚陽くんは さっきよりも強く手を握ってくる。
尚陽くんの…
温もりが伝わってくるような気がする…
ドキドキするよ…