君はあたしの天然王子
*20* 見えない出口
さっそく、あたしたちは白い花を求めて、登り始めた。
生い茂る木に、太陽の光がキラキラと反射する。
空気も気持ちいいし、隣には尚陽くんもいるし…
なんだか、楽しくなってきちゃった。
「なんだか普通にハイキングしてるみたいだね」
「たしかに。平和だな~」
小鳥のさえずりなんて聞こえたりして。
本当に平和。
すっごく気持ちいい。
これならいい気分で白い花を探せるね!
―なんーて
そんなことを思えるのはつかの間であった…。