君はあたしの天然王子
*8* 彼の好きな人
―放課後…
あたしは何回も深呼吸を繰り返す。
よし!行くぞ!
「な…尚陽くん!」
あたしは、席で本を読んでいた尚陽くんに声をかけた。
「ん?何?」
「あのっ…」
うわあぁ…いざとなると言葉が出てこない…
でもっ…
頑張って誘うのよ、美奈!!
「尚陽くん!良かったら今から…一緒に、どこか遊びに行かない…?」
おしっ!!
言えたあっ!!
あとは尚陽くんの返事を待つだけよ!
「今から…?」
「うん…。ダメ…かな?」
―ドキドキ…
「ゴメン。今日はちょっと無理だなぁ…」
えっ…
「あ…あはは…そっか…じゃ…バイバイ…」
「うん!また明日~」
そう言って尚陽くんは教室から出ていってしまった。