君はあたしの天然王子



オレは家までの道のりを、ボーっとしながら歩いた。


途中アイスが食べたかったけど、虫歯になって歯医者に行くのは怖いから我慢した。



オレってエライ?



家に帰りつくと、リビングの方からテレビの音が聞こえた。




「?誰?」



リビングを覗くと姉ちゃんがソファに座ってた。



「姉ちゃん?電気も付けないで何してんの?」


「ん……別に…」



ズズっと鼻をすする姉ちゃん。



まさか泣いてんの?




「姉ちゃん…泣くくらいケーキ食べたかったんなら買ってきなよ」



「アホンダラのボケナス アンポンタン尚陽!!……そんなことで泣いてんじゃないわよ…」





え…オレってアホンダラのボケナス アンポンタン野郎だったのか…!?









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