君はあたしの天然王子
「え…」
横に座る尚陽くんを見ると、心なしか顔が赤く見えた。
暑いのかな…?
「えっと…尚陽くんに彼女が居ることは分かってるけど…やっぱり、あたしは尚陽くんが大好きなの…」
「え…あ…ありがとう…」
心臓が破裂しそうなくらいドキドキしてる。やばい…。
「あの…美奈ちゃん」
「はい…」
「あの…少し…考えさせて…くれるかな?」
「えっ…?」
ウソ…考えてくれるの…?
「うん…分かった!」
「じゃあ教室戻ろうか?」
尚陽くんが微笑む。
嬉しい…これって、ちょっと期待しちゃって良いのかな…?
どうしよう、嬉しいよ…
でも気になるのが、あたしが寝ちゃってた時に唇に触れた温かさ―…
なにか…柔らかくて ふわっとしたものが唇に当たったような…
まぁ、気のせいかな?