幸せになりたいだけ。
祖母「ちょっとそこ座んない」


おじいちゃんがいなくなって少し広くなったように感じる。


祖母「おじいちゃんのもの整理するついでに片付けをしてみたのよ。」

なんだか寂しそうにおばあちゃんは話す。

祖母「この中にほしいものない?」

そこにはパールだったりダイヤだったりたくさんのネックレスが並べられていた。

侑「こんな高価そうなものつけられないよ」

祖母「いつかおばあちゃんが死んだときにかたみとしてもっとくだわ」


侑「縁起でもないこといわんのよ!」

祖母「そうやね。まだまだおばあちゃんは生きるわね」


にこっと笑っておばあちゃんは言う。



机の上に1つだけ大事そうに箱にしまってある指輪があった。

侑「おばあちゃん、この指輪は?」


祖母「それねー。おじいちゃんが結婚して3年目の時にあの照れ屋のおじいちゃんが仕事に出掛ける前に不器用に机の上に置いてね、私にくれたんよ」

侑「不器用なおじいちゃんが?」

祖母「そうなんよー。ぼそっと「ありがとう」って言ってからにね。嬉しかったわ。」

おばあちゃんは嬉しそうにその話をしてくれた。


それから何時間もかけておばあちゃんしかもしらないおじいちゃんのことを教えてくれた。


孫が生まれてきた時のおじいちゃんのこと、

私と一緒に遊んでくれたおじいちゃんのこと、



楽しそうに話してくれた。
< 11 / 12 >

この作品をシェア

pagetop