~恋に気付くとき~
「…結。俺は…、ずっと待ってたんだ…。」


あたしを、真剣な眼差しで見つめるトールちゃんに…。


「…うん、あたしも…。トールちゃんとなら…。」


「…結。」


そのときっ。


バタンっ…。

「トールっ!結ちゃんいるんでしょ?」


「くそっ…。母さんたちだ。」


あたしは慌てて服を整えた。


二人で、素知らぬ顔でリビングへ向かう。


やっぱり…。

賑やかだと思ったら、うちのお母さんも一緒だった。


「お父さんたちは寝てたから、四人で初詣行こうと思ったのよ~。ん…っ?」

トールちゃんのお母さんが、あたしの首から下をジロジロ見ている…。

まさか…。

はだけてる?

ボタン掛け違えてる?
背中に冷たい汗が流れるのがわかった。
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