~恋に気付くとき~

その翌日、トールちゃんがうちに来たんだ。

なんか、疲れてない?

もう、受験終わったんだから勉強もしなくて良いのに…。


「結っ、昨日は本当にごめんな。」


「うん。別にいいよ…。トールちゃんにも、他に大事なこともあるだろうしねっ。」


なんだか素直になれない。


「結、なんか怒ってるのか?」


「別に……。」


「結…?」


トールちゃんが、あたしを引き寄せて、抱き締めようとした。


「…イヤだっ。」

思わず手を振りほどいてしまった。


「…なんだよ。」

あ……。


トールちゃんから、怒りのオーラが出ていた。
< 116 / 134 >

この作品をシェア

pagetop