~恋に気付くとき~
卒業式の朝…。


天気は晴れていたが、三月だからまだ肌寒かった。

卒業式は十時から始まって一時間で終わるから、卒業生はあたしたちより遅くきて早く帰ってしまうから。


今日はトールちゃんと一緒に登下校できない。


最後くらい一緒に歩きたかったな…。


この一年間、いろんなことがあった…。

あたしにとって、トールちゃんの存在は幼馴染みだけじゃない大事なものになった。


「さぶっ……。」


冷たい風が吹いて、あたしは身震いした。


ダッフルコートの前をしめて、急いで学校へ向かった。
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