~恋に気付くとき~
卒業式が始まる…。


校長先生の長い話や、いろんな人たちの祝辞や答辞は全然聞いていなかった。


あたしの席から、トールちゃんの後姿が見えたから…。


ずっと視線を外せなかった。


背の高いトールちゃんは、かなり目立つ。


制服似合うな…。


その姿も今日で見納めだと思うと、やっぱり寂しい。


隣の人と話すトールちゃんの横顔…。


あ……、笑ってる…。

笑うと目がなくなるんだ。


あたしの胸がキュンとなる。


あたし、変だな…。


こうやって、少し離れて改めてトールちゃんを見ると、凄くドキドキする。



トールちゃんが、好き…。
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