~恋に気付くとき~
「お邪魔しま~す。」

「誰もいないし…。先に部屋行ってろ、飲み物持って行くから。」

「…はぁい。」


トールちゃんの部屋はいつもどおり変わらないけど、何か違うような気がした。


立ったまま見回していたら…


「何ぼーっとしてんだ?」


「ううんっ、なんかね、部屋の感じが変わった気がしたから…。」

「…何も変わってないだろ?」


「そうだよね。」

確かにベットもソファも、机もカーテンも変わってないや。


「あ…、そういえば、ひとつだけ変わった…。」


カチャ……とコーヒーをテーブルに置いたトールちゃんが、あたしを後から抱き締めた。
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