~恋に気付くとき~
「…なっ…なんでっ。バイトって…。」


嬉しくて涙が溢れだしたから、うまく言葉が出てこない。


「…これだけは自分の力で稼いで結にプレゼントしたかった。俺はまだ自活できてないけど、小遣いで買うってなんか違うと思ったんだ。本当は、もっと石のついた指輪とかが良かったんだろうけど…。」



「ううんっ、…あたしはオモチャの指輪でも充分だったのに…。」

貴金属に詳しくないあたしにも、これがシルバーじゃないことはわかる。高校生には高価なものだと思う。
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