~恋に気付くとき~
「あたし、お兄ちゃんのことが、好きなの…。」


「え…?お兄さんて、さっきの?」


「…うん。おかしいよね?いくら血の繋がりがなくてもね。」


「血、繋がってないの?」

「親が、あたしが小学一年生のときに再婚したんだ。」

知らなかった。


「でも、それならっ。」

明日実は首を横に振る。

「血の繋がりはなくても、あたしたちは10年近く兄妹として暮らしてきたんだよっ。親も親戚も近所も友達も、皆そう思ってるんだよっ。お兄ちゃんだって…。」


明日実が泣き出した。
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