~恋に気付くとき~
遥香先輩の姿も見掛けないから…。


二人は多分一緒なんだろうな。


あたしは、一人で人込みから抜けて、中庭の端を歩いていた。


少し離れただけなんだけど…周りは静かだった。


もしかしたら、誰か木の影とかに隠れてるかも……。


夜の学校って、かなり怖いな。


やっぱり帰ろうかと思ったときに。


「結…。」

呼ばれてキョロキョロした…。


周りには誰もいないんだけど…。


空耳?


「おいっ、結。」


この声、この口調は間違いなく…。


「トールちゃん…?」
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