~恋に気付くとき~
二度目のキスは、触れただけのキスだった…。


あたしを抱き締めたトールちゃんが、あたしの首筋に顔を埋めていた…。

あたしは、やっぱりトールちゃんが好きで。
トールちゃんがあたしの側にこうしていてくれるだけで、幸せなんだけど……。


「トールちゃんっ…。遥香先輩は?」

おそるおそる聞いてみる。


「あ…っ、いいんだ。あいつは…。」


「良くないよっ。トールちゃんの彼女でしょ?付き合ってるんでしょう?」


あたしは、トールちゃんの何?って聞きたいけど言えない…。


「いやっ、違うんだ結…。今は、ハッキリは言えないんだ…。でも、俺は…遥香に恋愛感情はない。俺たちは、そういう関係じゃないんだ…。」


「…???じゃあ、どういう関係?」

ハッとするトールちゃん。

「とりあえずっ、今俺が言ったこと秘密だぞっ。…俺が、結を襲ったことも、誰にも言うなよっ。」


< 61 / 134 >

この作品をシェア

pagetop