~恋に気付くとき~
マフラーって、もっと簡単に出来ると思ってた。


単純な編み方なのに…。

スピードが上がらず、なかなか長くならない。


あたしは、この数日、殆ど眠れなかった。


なんとしても、Xmasに間に合わせたい。


渡せるかわかんないけど。


今日も、学校から帰って必死にマフラーを編むあたし。


「最近、一生懸命やってるけどクリスマスプレゼントでしょ?誰にあげるのっ?結、彼氏できたのっ?」


お母さんが、ワクワク顔で聞いてくる。


「彼氏じゃない…けど…。」


「なにっ?好きな人にあげるんだ?いいなぁ、青春だわっ。でも、結?顔色悪いわよっ。無理しちゃ駄目だからね。」


「うん…。」
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