~恋に気付くとき~
「なんとか…。あげたよ、マフラー。」
イヴの夜の出来事とトールちゃんの話は内緒にした。
トールちゃんは、なんとしても、卒業まで偽装恋人を続けなきゃいけないと言うし。
明日実を信用してないわけじゃないけど。
あたしにも、理由はまだわからないし。
「あっ…、結、松本先輩だよっ。」
トールちゃんがあたしを呼んでいた。
珍しいな…。一年のクラスまでくるなんて。
「どうかしたの?」
クラスの女子が、騒いでいた。
トールちゃん、人気あるんだな…。
「一緒に帰ろう、荷物持ってこいよ。」
何故命令口調なんだか?
何様のつもりなんだろ。