君待ち人
幼い頃
七月になった。
梅雨が明け、徐々に気温が上がり、暑さが増してきている。
昼休み。
晴天の今日は、屋上で緋衣ちゃんとランチすることにした。
先に屋上に来て場所を取っておき、売店に行っている緋衣ちゃんを待つ。
「見てみて!」
合流した緋衣ちゃんが持っていたのは、新作のメロンパン。
「またメロンパン?」
「そうなの!売店のおばちゃんにリクエストしたら、また新作のメロンパンを入荷してくれたんだぁ」
新作のメロンパンに、えへへっとニヤけている。
そのパッケージには、「ココアメロンパン」と記されていた。
今度はココア味か。
「よかったね、緋衣ちゃん」
「もう嬉しくて、超ハッピーだよ!」
今にも飛び跳ねそうなくらいテンションが高い緋衣ちゃんは、早速そのココアメロンパンをパクリと豪快に食べた。「美味しいっ」とほっぺをおさえる。
私も食べようっと。
昨日の余りものを詰め込んだお弁当を広げ、「いただきます」と合掌して食べ始めた。